記念品の勘定科目は「贈る相手」で分ける―会計処理の基本と注意点

catch-img

企業が配布する記念品は、社内の士気向上や社外との関係強化といった効果が期待できる一方で、会計処理の観点では注意が必要です。贈る相手や目的、金額によって、勘定科目や税務上の扱いが異なり、誤った処理は思わぬ課税リスクにつながることもあります。

この記事では、社内向け・社外向けの記念品における勘定科目の判断基準や、判断に迷いやすいケース、仕訳時の注意点についてご紹介します。

社内向け記念品の勘定科目

社内イベントや社員の功労を称えるために贈られる記念品は、その目的や贈与のタイミングによって勘定科目が異なるため、会計処理では適切な判断が求められます。

ここでは、福利厚生費として処理されるケースと、給与・賞与として扱われるケースについてご紹介します。

福利厚生費になるケース

社内向けの記念品が「福利厚生費」として認められるのは、創業記念や永年勤続表彰など社内行事に際して社会通念上ふさわしく、かつその価額が1万円以下であることが前提です。

創業記念品は、おおむね5年以上の間隔を空けて支給することが適切とされます。また、永年勤続者向けの記念品は勤続10年以上の社員を対象とし、2回目以降の支給は、前回からおおむね5年以上の間隔を設けることが求められます。

これらの基準を満たすことで、福利厚生費として扱うことが可能です。

給与・賞与扱いになるケース

社内向けの記念品であっても、社会一般的な範囲を超えた物品は給与として課税されるため注意が必要です。

また、旅行や観劇などの費用負担に代えるために支給する現金や商品券についても、給与として課税されることは覚えておきましょう。本人が自由に選択できる記念品、例えばカタログギフトなども給与の対象です。

社外向け記念品の勘定科目

社外向けの記念品は、贈る目的や相手によって勘定科目が異なります。税務上の扱いに差が出るため、交際費か広告宣伝費かを適切に判断することが重要です。

交際費として処理する場合

社外向け記念品を取引先や顧客、協力会社などに贈った場合、その目的が接待や関係維持を意図するものであれば、通常は「交際費」として処理されます。

ただし、交際費には税務上の損金算入制限があります。例えば、「年末の資本金の額または出資金の額が1億円以下である等の法人」の場合は、年間800万円が上限です。

広告宣伝費として処理する場合

社外向け記念品であっても、不特定多数の相手に広く配布される場合は、「広告宣伝費」として処理することが適切です。

例えば、展示会や店頭での大量配布、新製品のリリース時、周年イベントに合わせた配布などは、広報・販売促進を目的とする支出として認められます。交際費とは異なり、損金算入の制限がないため、正しく区分して処理することで税務上のメリットを得ることができます。

記念品の勘定科目判断で迷いやすい場面

記念品の勘定科目は、配布の相手や目的によって判断が分かれることがあります。特に判断が難しくなりやすいのは、対象者や金額、配布のタイミングが複雑なケースです。

ここでは、記念品の勘定科目で判断が迷いやすい場面をご紹介します。

混在対象者へ配布するとき

記念品を社員と取引先の両方に同時に配布するようなケースでは、勘定科目の判断に注意が必要です。たとえ同じ品物であっても、社員への配布は「福利厚生費」または「給与」、取引先への配布は「交際費」や「広告宣伝費」となるため、配布先ごとに仕訳を分けて処理する必要があります。

高額商品やブランド品を配布するとき

高額な記念品やブランド品を取引先や社員に配布する場合は、金額や贈る目的によって「交際費」や「給与」として扱われる可能性が高くなります。

社会一般的にふさわしい金額を超えている場合は、税務上の経費として認められない、または受け取った側に課税される可能性があります。

社内イベント時に同時贈与するとき

社内イベントで記念品や景品を同時に配布する場合は、それぞれの目的や対象によって勘定科目が異なります。

例えば、抽選で渡す景品は内容や金額によって「福利厚生費」「給与」などに分かれることがあります。そのため、支給方法や金額に応じて、適切な勘定科目を使い分けることが重要です。

記念品を仕訳する際の注意点

記念品の内容や贈る相手、目的によって勘定科目の扱いは異なります。ここでは、記念品を仕訳をする際の注意点をご紹介します。

経費にできるのは事業に直接関係のある取引先だけ

記念品を経費として計上できるのは、基本的に事業に直接関係のある取引先や関係者への贈答に限られます。個人的な知人や事業に無関係な相手への贈り物は、会社名義で支出していても交際費や経費として認められない可能性があります。

高価な記念品を取引先に渡すケースでは経費にできない場合もある

高価な記念品を取引先に贈る場合、金額や目的によっては、経費として認められない可能性があります。特に社会通念を超えるような高額な贈答品は、税務上不適切と判断されることもあるため注意が必要です。

三越伊勢丹 法人外商グループのサポート

弊社サービスとして、三越伊勢丹 法人外商グループでは、記念品の仕訳や税務対応まで見据えたサポートを提供します。ここでは、主な特徴をご紹介します。

仕訳を見越した提案が可能

三越伊勢丹 法人外商グループでは、福利厚生費や交際費などの勘定科目を見据えた記念品のご提案が可能です。会計処理の方針に沿った設計を行うことで、仕訳の手間や判断ミスを防ぎます。

また、社内稟議に必要な提案書や見積書の作成にも柔軟に対応し、適切な進行をサポートします。

税務対応の観点でも相談可能

三越伊勢丹 法人外商グループでは、税務対応の観点も踏まえた記念品のご提案が可能です。顧問税理士と連携しやすいよう、用途や金額に応じた提案内容や記録書類を丁寧に整備します。

配布先別に仕分け・納品も可能

三越伊勢丹 法人外商グループでは、記念品を配布先別に仕分け・納品するサービスにも対応しています。社員や取引先ごとの宛名指定や部署別の仕分けなど、細かなご要望にも柔軟に対応可能です。配布時の混乱や手間を軽減し、適切な運用とトラブルの防止に貢献します。

まとめ

記念品は社内外との関係構築に役立つ一方で、会計処理を誤ると税務リスクが生じる可能性があります。今回ご紹介した勘定科目の判断ポイントや実務上の注意点を参考に、目的や配布対象に合った会計処理を検討し、適正な運用体制の構築にお役立てください。

三越伊勢丹 法人外商グループ』では、企業向けに記念品・贈答品の提案から納品までをワンストップでサポートするソリューションを提供しています。創立記念や周年行事、式典・表彰・季節のご挨拶など、さまざまなシーンにふさわしいギフトを、企業のブランドや目的に合わせてご提案いたします。贈り分け設計や包装・メッセージカード対応、各拠点への分納といった対応も可能です。

記念品準備の負担を軽減し、贈る相手に想いを届けたい企業さまは、ぜひ一度ご相談ください。

ご不明な点はお気軽に
お問い合わせください

●●のお役立ち資料は
こちらから

メルマガ登録

タグ一覧